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5W1Hで会話も弾みます

皆様は5W1Hというのを聞いたことがありませんか。ひょっとしたら英語ではなく小学校の国語の作文で先生から習ったことがあるかもしれませんね。実はこの5W1Hが会話を弾ませる強力な武器になるのです。

まず、5W1Hですが、“what(何)”“when(いつ)”“where(どこで)”“who(誰)”“why(なぜ)”“how(どうやって)”のことを指します。

中学英語で言えば、疑問文は2種類あります。
(1)YesやNoで答えることができる疑問文
(2)YesやNoではなく、別の表現で答える疑問文

それぞれの具体例を見てみましょう。
〈例1〉Do you know him?(あなたは彼を知っていますか。)
― Yes, I do.(はい、知っています。)/No, I don’t.(いいえ、知りません。)
〈例2〉What is she doing now?(彼女は今何をしているのですか。)― She is making dinner for us.(彼女は私たちのために夕飯を作っているのですよ。)

単にYesやNoを使って答える疑問文もそれなりに会話となりますが、やはりもっと突っ込んだ話をしたい、聞きたい場合はやはり5W1Hを使いこなせるようになるといいでしょう。

5W1Hは「疑問詞」と呼ばれるもので、通常は文の先頭に置きます。
そして、be動詞中心の文ならば、疑問詞+be動詞+主語~?となります。一般動詞中心の文ならば、疑問詞+do(does、did)+主語+一般動詞の原形~?となります。

〈例3〉What is this?(これは何ですか。)
〈例4〉What do you like?(あなたは何が好きですか。)

さらに細かく疑問詞を見ていきます。疑問詞は実は様々な意味を持っていたり、別の語とつながることで新たな意味にもなります。

(1)what time(何時)
〈例5〉What time did you get up this morning?(あなたは今朝何時に起きたのですか。)

(2)what sport(s)(どんなスポーツ)
〈例6〉What sport(s) do you like?(あなたはどんなスポーツが好きですか。)

(3)how①(どう)
〈例7〉How are you?(お元気ですか?調子はどうですか?)

(4)how②(どのようにして)
〈例8〉How do you go to school every day?(あなたはどうやって毎日学校に行くのですか。)

(5)how long(どのくらいの間〈期間〉)
〈例9〉How long have you lived in Okinawa?(あなたはどのくらいの間、沖縄に住んでいますか。)

(6)how many times / how often(何回)
〈例10〉How many times(How often)have you been to London?(あなたは何回ロンドンに行ったことがありますか。)

(7)how tall(どのくらいの身長)
〈例11〉How tall is your borother?(あなたのお兄さんの身長はどのくらいですか。)

(8)how old(何歳)
〈例12〉How old will you be next year?(あなたは来年何歳になるのですか。)

上記の疑問詞の使い方はほんの一部ですがすべて中学で習う内容です。これらを覚えておくだけでも実際の会話で使うことができるのですよ。

時間の感覚を身に着けることでストーリーができます

日本人が英語を話す際に困るのが「時間の感覚の表現のしかた」です。

〈例1〉「私は英語を勉強しています。」
この日本語を聞いたとき、中学レベルでは3つの解釈ができます。
(1)今まさにこの時間は勉強していないが、普段から英語の勉強に取り組んでいる。
(2)今まさにこの時間、英語の勉強をしている最中である。
(3)ある程度の期間をかけて英語の勉強をしている。

これらを英語で表すと次のようになります。
(1)I study English.〈現在の習慣〉
(2)I am studying English.〈現在進行形(現在進行中の動作)〉
(3)I have studied English.〈現在完了形(過去のある時点から今までの継続した動作・習慣)〉

また、次はいかがでしょうか。

〈例2〉「私はおじの家に行きます。」
この日本語からも中学レベルでは2つの解釈ができます。
(1)普段からおじの家に行くことを表している。
(2)これから、もしくは近い未来におじの家に行く予定である。

これらを英語で表すと次のようになります。
(1)I visit my uncle.〈現在の習慣〉
(2)I will visit my uncle.またはI am going to visit my ucnle.〈未来〉

このように日本語では曖昧なものも、英語では原則として区別をつけていくのが時間に関する表現です。

中学英語では、大きく分けて中1で「現在」、中2で「過去、未来」、中3で「現在完了」を習います。また、中1で「現在進行形」、中2で「過去進行形」を習います。

①現在形
現在形は「現在の習慣」や「現在の状態」を表します。動詞は現在形を用います。
〈例1〉I usually get up at six.(私は普段6時に起きます。)
〈例2〉My father is very busy now.(私の父は今、忙しいです。)

②現在進行形
現在進行形は、「今まさに目の前で起こっている動作」を表します。主語+is(am、are)+~ingで表し、「~しているところです」と訳します。
〈例3〉She is having lunch now.(彼女は今昼食をとっているところです。)

③過去形
その名の通り、「過去の習慣」や「過去の状態」を表します。
〈例4〉I lived in Hokkaido ten years ago.(私は10年前に北海道に住んでいました。)

④過去進行形
過去進行形は、「過去の特定の時点でその時にリアルタイムに起こっていた動作」を表します。主語+was(were)+~ingで表し、「~しているところでした」と訳します。
〈例5〉They were playing soccer then.(彼らはその時サッカーをしているところでした。)

⑤現在完了
現在完了は「過去のある時点から現在までの関連性」を表現します。主語+have(has)+過去分詞~で表します。例えば、I lived in Nagoya.(私は名古屋に住んでいました。)では、「いつのことかは不明だが、とにかく以前は名古屋に住んでいた。しかし、今は名古屋に住んでいるかどうかは分からない。」ですよね。また、I live in Nagoya.(私は名古屋に住んでいます。)も「今は住んでいるが、昔は名古屋に住んでいたかどうかは分からない。」ですよね。しかし、現在完了形は「昔も今もずっと名古屋に住んでいる」とうことを表せます。
〈例6〉I have lived in Nagoya for a long time.(私は長い間名古屋に住んでいます。)

このように、英語には様々な時間の感覚を表す表現があります。

後ろの形を見て意味が決まります

英語は単語を並べる順番で大きく意味が変わります。特にその単語の後ろの状態によって訳し方が決まります。その代表的な動詞を中学レベルで紹介します。

①leave
原義は「離れる」という意味です。そこから次のように派生します。
(1)leave for A「Aに向かって(ここを)出発する」
〈例1〉I left for Tokyo.(私は東京に向かって出発しました。)
(2)leave A「Aを出発する」
〈例2〉I left Osaka.(私は大阪を出発しました。)
(3)leave A for B「Aを出発してBに向かう」
〈例3〉I left Osaka for Tokyo.(私は大阪を出発して東京に向かいました。)
(4)leave A「Aを置いてくる」
〈例4〉I left my wallet on the train.(私は電車に財布を置いてきてしまいました。)

②find
原義は「見つける」という意味です。しかし、findの後ろの語順を少し変えるだけで大きく意味が変わります。
〈例5〉I found an interesting book.(私は面白い本を見つけました。)
〈例6〉I found the book interesting.(私はその本が面白いと分かりました。)
つまり、findは〈例2〉のように、find+名詞+形容詞の語順で並べると「〈名詞〉が〈形容詞〉であると分かる」というふうに訳します。

③like
likeはおなじみの単語ですが、実は「~が好きである」という動詞の意味だけではなく「~のように」という前置詞の役割があります。前置詞とは、後ろに名詞を続けて1つのカタマリを作る働きをするものです。前置詞の代表例は、for、to、in、on、at、byなどです。
〈例7〉I can’t do it like him.(私は彼のようにそれはできません。)

④kind
kindも「親切な」という意味で覚えている人は多いでしょう。しかし、「親切な」という形容詞の意味だけではありません。実は名詞で「種類」という意味もあるのです。
〈例8〉What kind of music do you like?(あなたはどんな種類の音楽が好きですか。)

⑤by
前置詞byも厄介な単語の一つです。byの原義は「距離感」です。そこから次のように派生します。
(1)by+場所「~のそばに」
〈例9〉She lives by the river.(彼女はその川のそばに住んでいます。)
(2)by+乗り物「~で」
〈例10〉I go to shool by bus.(私はバスで学校に行きます。)
これは、現在地(自分の家)と学校までの「距離」の移動をバスで行うという意味です。
(3)by+人「~によって」
〈例11〉This cake was eaten by her.(このケーキは彼女によって食べられました。)
彼女がケーキに近づく姿(距離が縮まる様子)を思い浮かべてください。

このように、単語の意味というのは1つにとどまるわけではありません。ただ多くは原義を抑えておけば解決するのですが、だからと言ってすべてをカバーできるというわけではありませんので、例文を通じて慣れることが必要です。興味を持って辞書を調べるなどをすればどんどん身についてきます。

英語の基本的な5つの文構造を覚えよう

英語で文を作る際に困るのは、「どのように単語を並べなければならないのか」ということです。これは日本語の語順と英語の語順に違いがあるからです。日本語では「結論」、いわゆる述語は文末に来ます。文末まで聞かないと、それが「肯定文」なのか「疑問文」なのか「否定文」なのか分かりません。それに対して英語は、割と先の方で「結論」が出てきます。ですから最初を集中して聞いていれば、ほぼ言いたいことが理解できます。

では英語の語順はどのようなものがあるのでしょうか。英語の語順のことを一般的に「文型」と呼びます。現在学校で教えられている英文法の主流は5つの文型ですのでこの5つに則って説明をしますが、細かく分ければ7文型、8文型、それ以上の文型もあると言われています。今回は、初心者でも学習しやすい「5文型」について解説します。

その前に「品詞」について説明します。「品詞」と聞くと頭が痛くなるかもしれませんが、この説明は避けて通れませんので少々お付き合いください。英語で抑えておくべき品詞は「名詞(代名詞も含む)」「動詞(助動詞も含む)」「形容詞」「副詞」です。

①名詞
主に「名前」だとお考えください。desk(机)、Ken(ケン)、beauty(美しさ)などです。また代名詞とはI(私は)、she(彼女は)、we(私たちは)、us(私たちに)などです。

②動詞
be動詞(is, am, are, was, were)と一般動詞(make, get, haveなど)があります。また助動詞(can, may, will, mustなど)とbe動詞または一般動詞の組みあわせも1つの動詞と考えてください。

③形容詞
「どんな」名詞なのかを説明するものです。たとえば、「車」だけではどんな車か分かりません。そこにblue(青い)とかbig(大きな)とかがつくと、どんな車かはいっきりしますね。

④副詞
「どのように」「どのくらい」を説明する語です。たとえば、「起きる」だけではよく分かりません。そこで「早く+起きる」のように「早く」を付ければ明確になります。「上手に+テニスをする」とつければやはり「テニスをする」よりも明確になります。他には「土曜日に+本を読む」のように「土曜日に」という言葉や、「公園で+友達に会う」のように「公園で」のように「時や場所」を表す語も「副詞」と言われます。

では、代表的な5文型の説明です。主語をS(「~は」「~が」)、動詞をV、目的語をO(「~を」「~に」、補語をC(主に形容詞)、修飾語をM(主に副詞)とします。

①第1文型(S+V〈+M〉)
Mというのはあってもなくても良い情報です。主に副詞が来ます。
〈例1〉Megumi / runs / fast.「めぐみは(速く)走ります。」
S V M

②第2文型(S+V+C〈+M〉)
〈例2〉She / is / happy.「彼女は幸せです。」
S V C
第2文型ではS=Cとなります。

③第3文型(S+V+O〈+M〉)
〈例3〉I / have / dogs.「私は犬を飼っています。」
S V O
第3文型ではS≠Oとなります。

④第4文型(S+V+O1〈人に〉+O2〈物を〉〈+M〉)
〈例4〉I / gave / him / a bag.
S V O1 O2
「私は彼にかばんをあげました。」
第4文型ではO1≠O2となります。

⑤第5文型(S+V+O+C〈+M〉)
〈例5〉We / call / him / Ken. 
S V O C
「私たちは彼をケンと呼びます。」
第5文型ではO=Cとなります。