英語は単語を並べる順番で大きく意味が変わります。特にその単語の後ろの状態によって訳し方が決まります。その代表的な動詞を中学レベルで紹介します。

①leave
原義は「離れる」という意味です。そこから次のように派生します。
(1)leave for A「Aに向かって(ここを)出発する」
〈例1〉I left for Tokyo.(私は東京に向かって出発しました。)
(2)leave A「Aを出発する」
〈例2〉I left Osaka.(私は大阪を出発しました。)
(3)leave A for B「Aを出発してBに向かう」
〈例3〉I left Osaka for Tokyo.(私は大阪を出発して東京に向かいました。)
(4)leave A「Aを置いてくる」
〈例4〉I left my wallet on the train.(私は電車に財布を置いてきてしまいました。)

②find
原義は「見つける」という意味です。しかし、findの後ろの語順を少し変えるだけで大きく意味が変わります。
〈例5〉I found an interesting book.(私は面白い本を見つけました。)
〈例6〉I found the book interesting.(私はその本が面白いと分かりました。)
つまり、findは〈例2〉のように、find+名詞+形容詞の語順で並べると「〈名詞〉が〈形容詞〉であると分かる」というふうに訳します。

③like
likeはおなじみの単語ですが、実は「~が好きである」という動詞の意味だけではなく「~のように」という前置詞の役割があります。前置詞とは、後ろに名詞を続けて1つのカタマリを作る働きをするものです。前置詞の代表例は、for、to、in、on、at、byなどです。
〈例7〉I can’t do it like him.(私は彼のようにそれはできません。)

④kind
kindも「親切な」という意味で覚えている人は多いでしょう。しかし、「親切な」という形容詞の意味だけではありません。実は名詞で「種類」という意味もあるのです。
〈例8〉What kind of music do you like?(あなたはどんな種類の音楽が好きですか。)

⑤by
前置詞byも厄介な単語の一つです。byの原義は「距離感」です。そこから次のように派生します。
(1)by+場所「~のそばに」
〈例9〉She lives by the river.(彼女はその川のそばに住んでいます。)
(2)by+乗り物「~で」
〈例10〉I go to shool by bus.(私はバスで学校に行きます。)
これは、現在地(自分の家)と学校までの「距離」の移動をバスで行うという意味です。
(3)by+人「~によって」
〈例11〉This cake was eaten by her.(このケーキは彼女によって食べられました。)
彼女がケーキに近づく姿(距離が縮まる様子)を思い浮かべてください。

このように、単語の意味というのは1つにとどまるわけではありません。ただ多くは原義を抑えておけば解決するのですが、だからと言ってすべてをカバーできるというわけではありませんので、例文を通じて慣れることが必要です。興味を持って辞書を調べるなどをすればどんどん身についてきます。