英語の学習において最も躓きやすいのが「単語」です。いったいどのようにして英語初心者は単語を覚えればよいのでしょうか。

まず英単語に限らず、記憶のメカニズムについてお話します。

ドイツの心理学者エビングハウスは記憶と忘却についての実験を行いました。それをグラフで表したものを通称「エビングハウスの忘却曲線」と呼びます。それによると、20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後77%、1ケ月後79%が忘れてしまうという結果があります。多くの学習塾や予備校でもしきりにこの「エビングハウスの忘却曲線」について生徒に伝えています。特にここで注目してほしいのが「20分後に42%忘れる」というデータです。つまり、何もしなければ約半分近くが忘れ去れされてしまうのです。ですから、復習を適宜入れていかないと、せっかく覚えたものも時間た経てばすっかり抜け落ちてしまうのです。

また、記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があります。短期記憶はその名の通り、短い期間しか覚えていない記憶です。長期記憶はもはや無意識のレベルで、服を着替えたり、歯を磨いたり、その動作自体は忘れないですよね。それだけ長期間定着しているのが長期記憶です。

英単語の学習の場合、初めて見た単語については短期記憶のメカニズムが働きます。これを何とかして長期記憶にする方法を教えます。

(1)何回も目にする
短期記憶を長期記憶にするためには、「習慣化」が必要となります。つまり、何度も見たことがある単語はそう簡単には忘れませんが、ほとんど見たことがないような単語は次に見てもなかなか思い出せません。ですから何度も目にすることが大事です。

(2)何回も目にするためにすること→書く
やはり、オーソドックスですが「書く」という作業は脳神経学的にも正しいようです。漢字も書くことがなければ忘れていくのと同様です。英語も書かなければ忘れていきます。

(3)何回も目にするたにすること→読む
書く以上に大事なのが、読むです。特に、英語の世界では「音読筆写」が重要です。つまり、英語を読みながら同時に書くのです。こうすることで、目、耳、口、手、脳を使う全身トレーニングになるからです。音と文字を一致させることができればよいのです。英語はローマ字とは違います。nameはローマ字では「ナ・メ」ですが、現代英語では「ネイム」です。つまり文字と音が一致しないのが英語の特徴の1つでもあります。ですから、覚えるためには、読んで聞いて書くことが大事なのです。

(4)ごろ合わせ
そうは言っても、ごろ合わせも使えるテクニックです。日本史などの年表を覚える際にも皆さんはごろ合わせを使いませんでしたか。英語でも同様です。ごろ合わせをうまく使ってください。たとえば、baseballは「バ・セ・バ・11(じゅういち)」とか、takeは「連れテイク」とかです。

(5)暗記カードの活用
未だにバカ売れしているのが「暗記カード」です。小さな紙が100枚くらい束ねられていて、リングで閉じられているやつです。表面に英語、裏面に日本語を自分で書きます。これは「フラッシュカード」と同様の効果があり、瞬時に頭を切り替えることで記憶の一助になっています。最近はスマホのアプリでも登場しています。

このように自分のライフスタイルに合わせて暗記をすることが大事です。